清新地区からの要望と法務省矯正局からの回答(その1)
清新まちづくり会議が、法務省矯正局長宛て「神奈川医療少年院跡地活用に関する要望書」を提出(令和2年4月22日付け)
【要旨】昭和28年の神奈川少年院開庁から平成31年の神奈川医療少年院(昭和53年に医療少年院に改組)の閉庁まで、地域住民は66年間少年たちを見守り、交流してきた。昭和28年当時雑木林だった施設周辺は、現在では小学校、中学校、商業施設等が立地する地域へと変ぼうしている。跡地は、交通至便な一等地であり、今後の市・地区の発展に欠くことのできない貴重な財産である。 平成31年1月10日の閉庁式及び同年2月20日のまちづくり会議においては、跡地の活用については「未定」、今後活用について動きがある場合には「情報提供をし、相談する」とのことだった。 まちづくり会議としては、この発言に違わない対応をお願いするとともに、跡地の活用について、つぎのように要望する。
(1) 橋本駅・相模原駅周辺のまちづくりを見据え、当地の活性化・魅力アップにつながる少年院等以外の施設の設置 (2) 地域の付加価値を高める施設の設置 (3) 神奈川医療少年院と同時期に閉庁・移転した施設の跡地と同様、市等の公共的な土地利用が可能となるような財産処分 (4) 検討中の案件があれば提示
「旧神奈川医療少年院跡地の活用について」法務省矯正局総務課長からの回答(令和2年7月9日付け)
【要旨】60余年の長きにわたり、在院者の改善更生、社会復帰に向け地域の皆様から温かい支援と協力を賜り感謝申し上げる。 非行少年が施設に収容されている間、社会から隔絶されたままの状況では円滑な社会復帰が困難である。収容されている少年も、かつての暴走行為や暴力行為を行う者は少なくなり、発達上の課題を抱える者、特殊詐欺の受け子として犯罪の全容を知らないまま関与してしまった者、虐待の被害者としての経験を有する者等が増えている状況である。再び非行に陥らないためには、保護者、保護司、篤志家等多くの方から切れ目のない支援をいただくことが重要である。そのためには、地域の方々の理解と良好な関係を礎としつつ、交通の利便性があり、誰もが訪れやすい環境が不可欠であり、同地が最適であるとの判断に至った。
1 要望内容に対する回答要旨 (1) 当地域の活性化・魅力アップにつながる、少年院以外の施設の設置 ・・・ 少年の再非行防止に向けた日本を代表する新たな施設を整備・運営していく予定 しており、国内外から多くの関係機関等の人が訪れることが想定される。これは当地域の活性化の一助になるのではないか。桜並木についても活用の仕方について、地域と相談しながら進めていきたい。さらに、職員・家族等200名前後が居住することが想定されるが、地域の各種活動に積極的に参加する。 (2) 地域の付加価値を高める施設の設置・・・ 収容施設では様々な教育活動が実施され、そのためのグラウンドや体育館等の建物が敷設される。レイアウトを工夫することによって、災害時に周辺地域の方々が利用できる避難場所とすることが可能となる。また、防災備品や非常食等を備えているだけでなく、非常用設備等の緊急運搬や心理専門家による災害に伴うPTSD等の支援態勢の構築も可能となる。よこはま法務少年支援センターのサテライト機関を設置し、地域援助として学校や家庭における非行問題、福祉施設等における問題行動、発達上の課題への対応等について、心理検査やカウンセリング等、センターと同様の体制を整備したい。 (3) 他の施設跡地と同様、公共的な土地利用が可能となるような財産処分 ・・・ 財産処分は予定しておらず、収容施設の機能と地域の発展を両立できるような施設整備を行っていきたい。
2 整備計画等 第1種少年院対象者(男子)120名を収容、令和3年度~設計、令和5年度~工事、令和7年度運営開始